のほほん村通信

のほほん村のあみぐるみと、村長RISAKUの二胡、菜園、モノづくり。
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解体を待つ団地、ゴハンを待つ猫

 電車に乗るたびに、車窓から見えるある一角が気になっていた。消えそうでなかなか消えない、でもいつか確実に消えるはずのその一角を先日、ついに見に行くことができた。といっても、日本全国どこでも見かける団地なのだけど。

 ただ違うのは、全棟に人の気配がないこと。団地といえば子どものキャーキャー騒ぐ声が聞こえてきたり、主婦が買い物袋ぶら下げて立ち話してたり、庭先でお年寄りが花の手入れをしているような光景をイメージするが、無人の団地というのは一種独特な雰囲気を持っている。

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住人は全員、背後にあるピンク色の新しい団地に引っ越したらしい。

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見る人がいようがいまいが、今年も美しく花は咲く。

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──などと感慨に浸っていたら、脇を自転車に乗った兄弟が歓声をあげながら通り過ぎていった。団地が一瞬、息を吹き返した気がした。

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 すぐそばには川が流れていて、沿道は犬の散歩やウォーキングをする人で往来が絶えない。その先に動かない白いものを見つけ、目を凝らすと猫さんだった。フェンスの先の細い隙間にうずくまって、行き来する人を観察している。

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 そうっと近づいたら向こうも気づいて、フェンスをくぐって歩道に出てきた。

「にゃー」

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脇にしゃがんでカメラを構えると、目の前を所在なげに行ったりきたり。

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「ひとまず、キレイキレイするにゃ」

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「さ、出すもの出せにゃ」

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「まだかにゃー!?」

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 この後しばし撫でさせてくれたものの、お目当てのものが出てこないので愛想が尽きたのか、お尻を向けられてしまった。それでも、帰り際にもう一度振り返ったら三つ指ついて見送ってくれていた。

 あんなに人通りの多い場所、野良猫にとっては落ち着かないだろうに、ああしてじっと待っているということは、たぶん、ここに住んでいたお婆さんあたりが、新しい団地に移り住んでも毎日ごはんを持って会いにきてるんじゃないかなと思う。というか、そう信じたい。


 ついでに奥の新団地にも足を伸ばしてみた。ピンク色の壁にちょうど夕陽が当たって輝かんばかりで、日陰にあるお役御免の旧団地とコントラストをなしていた。

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 きっとエレベーターもついて、見晴らし最高で、耐震性ははるかにアップして、設備もいろいろ整って、人間にとっては随分機能的になったんだろうけど、あの猫さんが近づけない理由は何となくわかる気がした。

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