のほほん村通信

のほほん村のあみぐるみと、村長RISAKUの二胡、菜園、モノづくり。
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金魚との夏[9]〜合流の末に

<5週目>

 あかねが元気に泳ぎ回るようになってからさらに数日様子を見て、いよいよ水槽に合流させることにした。合流した日と翌朝のエサはなし。

 先住者のすずがあかねをいじめないか心配だったけれど、あかねを入れたプラケースを水槽に浮かべても、すずは特に気にせずいつもどおり泳いでいる。

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それはさておき、こうして比べると、あかねがひと回りもふた回りも大きくなっているではないか! 最初は似たような大きさだったはずなのに、しかも絶食期間だってあったのに、なぜ、いつの間にこんなに大きくなった!? さすがフナ尾和金、野生のフナにいちばん近いだけのことはあって、丈夫なやつ。

 水温合わせを終えて、あかねをそーっと水槽に放流。これぞ、夢にまで見たツーショットである。ふぅ、5週間介抱したかいがあった!

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 どうやらすずは温和な性格で、あかねがいじめられる気配もなさそうだし、よかったよかった。

──と目を離したすきに、何と新入りのほうが先住者を追いかけはじめた。この間まで水底で微動だにしなかったあのあかねがこんなに元気になったとは!

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「ふたりとも、お願いだから仲良くしてよ〜〜」と声をかけると、その間だけはこんなふうに並んで神妙にしているのだが(言葉を理解してるはずはないけれど)、

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気がつくとまたあかねがすずを追いかけるので、応急策で水槽のプラスチック蓋を間に立てた。

「仕切りジャマ!!」と不満気なあかね。

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あかね「ここから地下へと通じる抜け穴があるはず」

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 この追いかけっこ、縄張り争いなのか、季節外れの発情なのか、観賞魚店のおじいさんの言っていたように体型の違いが原因なのか、見当がつかない。

対策としては別水槽を用意するか、間仕切りを入れて永久的に隔離飼育する手もあるが、「数日〜2週間一緒に泳がせればおさまる」という説もあるようだ。私はできれば2匹一緒に飼いたかったため、餌やり時と追いかけが激しいときだけプラ蓋を入れ、様子を見ることにした。

 合流2日目には、2匹仲良く底砂を漁ったり、すずも追われてばかりではなく、あかねの尻尾をつつく素振りも見せるように。これなら混泳もうまくいくかもしれない。だってもともと同じ釣り堀で暮らしてた2匹だもの。





 ところが合流3日目の夜から、すずがときどき水の底に沈むようになった。餌も、全身の力を振り絞って取りにくる感じ。そこで先住者であるすずの生活環境を優先するべく、新入りのあかねを水槽から出してバケツに戻した。

 その翌日、すずの容態はさらに悪化し、傾いた体を立て直すこともままならなくなった。おそらく転覆病にかかったのだろう。「具合が悪くなったらとりいそぎ塩水浴!」と思い、すずを水槽からバケツに移して療養を開始。

一匹がやっと快復したと思ったら入れ違いでもう一匹が体調を崩すなんて……。でもそれもこれも私の知識不足のせい。こうなったら、1カ月でも何カ月でも看病して、治った暁にはまたもう1つ水槽を用意してやろうじゃないの!!





 だが、バケツのなかのすずは、初日こそ全身の力を振り絞って水面まで上がってきていたものの、やがて水底で動かなくなり、隔離後3日目の朝、体をくの字に曲げた状態で亡くなった。我が家に迎えて40日しか経っていなかった。水面にぽっかり浮かんだすずは、愛嬌のある眼差しのまま、ヒレも鱗も綺麗なままで、「ごはんだよー!」と呼べば小躍りしながら寄ってきそうだった。

もし合流させてなかったら、すずは今も元気で泳いでいたにちがいない。だから、明らかに私のせいで死なせたのだから、「☆になった」という言い方はするまい。どうせなら塩水浴もせず、慣れた環境の水槽で看取ってやればよかった。

 いつも元気でもりもりエサを食べて、愛想を振りまいていたすず。あまりにあっけない最期だった。

「あかねの看病大変だったろ? オイラは面倒かけたくないから、……じゃ!」

と言って旅立ってしまったような気がしてならない。

あかねの看病にかまけてすずの写真も動画もあまり撮ってなかった。せっかくあんなになついてくれてたのに、名無しのまま放ったらかしで、私が一方的に癒されてばかりだった。

本当にごめん、すず!


──つづく。


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